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イタリアンパセリ Italian parsley

パセリの一種であるイタリアンパセリは、様々な料理のアクセント、彩りに使われています。また従来のパセリよりもクセがなく食べやすいこと、栄養価が高いことでも注目を集めております。

名称
科名:セリ科オランダゼリ属(二年草)
学名:Petroselinum crispum var.neapolitanu
別名:ぺルシ・プラ(仏)、早芹菜(中国)
和名:和蘭(おらんだ)芹(ぜり)
和名由来:従来のパセリが18世紀にオランダ船で長崎に持ち込まれたことから「オランダゼリ」の名前つきました。


3~6月

原産地と品種について
ヨーロッパ、地中海沿岸
日本でよく見かけるのが葉の縮れた「モスカールドパセリ(カーリーパセリ)」です。
ヨーロッパでは葉の平らな「イタリアンパセリ」が食されています。

歴史
古代ギリシャ時代から薬用とされ、防臭・消臭また染色に用いられてきました。
ローマ時代には食用となり、戦地に行く兵士にパセリを食べさせると力がつき、反射神経がよくなると言われていたそうです。それからフランスをはじめヨーロッパ各地に広がりました。

効能
ビタミンA(β-カロテン)B,C、鉄分、カリウム、カルシウムが多く含まれています。パセリに含まれる独特の香り成分「アピオール」と「ピネン」は、食欲を増進させる効果があり、また食中毒の予防、口臭予防効果があると言われています。フラボノイド類には強力な殺菌作用があるため、お弁当などに添えることで食中毒予防が期待できると言われています。 

料理方法とポイント
独特の香りとほろ苦さを料理のアクセントにしましょう。
ペーパーなどで水分を取り除き、みじん切りにして冷凍保存しておくと必要な時に使えます。
電子レンジなどで乾燥させておくのもよいですが、香りが飛んでしまいます。ニンニクやオリーブ油、バターとの相性がよいので、みじん切りにしたものを「スープ、シチュー、オムレツ、パスタ、グラタン、アサリのワイン蒸し、アクアパッツァ」など様々の料理にお使いください。

保存方法
枝を小さな花瓶に活けておきましょう。観賞用としても楽しめます。

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オレガノ Oregano

トマトやチーズ、挽肉との相性がよいオレガノは、イタリア料理や地中海料理には欠かせません。
ミントに似た爽やかな芳香と辛みが魅力的なハーブです。

名称
科名:シソ科ハナハッカ属
学名:Origanum vulgare L.
別名:花(はな)薄荷(はっか)(中国)、ワイルド・マジョラム(英)、オリガン(仏)、オリーガノ(伊)
和名:花(はな)薄荷(はっか)


4~10月

原産地と品種について
地中海沿岸

語源
属名の「Origanum」はギリシャ語で「山の喜び」を意味しています。

歴史
ギリシャ神話には「愛と美の女神ビーナスが、太陽光があたるもっとも高い山に植えた草」と記されています。またオレガノは「女神ビーナスが大切に育てたもので、その芳香は女神が触れたために今もなお香り続けている」と言われています。紀元前4世紀頃から、殺菌用、鎮静用の薬草としても利用されています。日本には江戸時代末期に渡来したと言われています。

効能
ビタミンA(β‐カロテン)、ビタミンB1、ビタミンCが含まれています。精油成分「カルバクロール」「チモール」に抗菌、殺菌、鎮静作用がると言われており、気管支炎、喉の不快感、頭痛、生理痛、疲労回復に効果があるそうです。冷やしたオレガノティーは風邪や口内炎などを予防するうがい薬としても利用されています。また胃腸の調子を整え、消化を促進する作用がありますので食後のお茶としてもよいでしょう。

料理方法とポイント
生葉よりも乾燥させた方がより香りが強くなりますので、オーブントースターなどの余熱で乾燥させておくと長持ちします。肉や魚のにおい消しとして、ハンバーグやミートボールなどに混ぜ込むと香りも楽しめます。「オムレツ、ミートソース、ピッツア、ラザニア、トマトソース、ミネストローネ、サラダ」

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マスタードグリーン Mustard green

ピリッとした辛みが特徴のマスタードグリーンは、日本で言うからし菜の一種です。
また芥子やマスタードの原料でもある種子を取るのもこの仲間です。

名称
科名:アブラナ科アブラナ属
学名:Brassica juncea Cosson
和名:西洋(せいよう)芥子菜(からしな)、


2~3月

原産地と品種について
中央アジアが有力
マスタードグリーンは「葉カラシナ類」の中に含まれており、カラシナ類は「葉カラシナ類、タカナ類、多肉性タカナ類、茎タカナ類、根ガラシ類」に分けられます。
別名とさる西洋芥子菜は、カラシナの原種である野生種が日本に入り、自生していったと考えられています。

歴史
平安時代の日本最古の薬物辞典『本草(ほんぞう)和名(わみょう)』にも記述があり、葉を漬物にして食していたそうです。

効能
ビタミンA(β‐カロテン)ビタミンC、鉄分、カルシウム、葉酸などが多く含まれています。

料理方法とポイント
ピリッとした辛みがサラダやサンドウィッチのアクセントになります。からし菜同様に漬物や炒め物などもおすすめです。
但し、漬物にするとビタミンの量は減少します。

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スイートバジル sweet basil

スイートバジル(バジリコ)は甘くてスパイシーな香りをもち、「王様のハーブ」「神聖な草」と言われています。イタリア料理には欠かせず、特に日本ではバジルをたっぷり使ったジェノヴェーゼ・ソースが人気です。

名称
科名:シソ科メボウキ属 1年草
学名:Ocimum basilicum
別名:バジル/ コモンバジル(英)、バジリコ(伊)、バジリック(仏)、ガバオ(タイ)
和名:目(め)箒(ぼうき)


7~8月

語源
「バジリコ」(バジル)の語には2つの説があります。
1つは、甘く芳醇な香りが王の館をイメージさせることから、ギリシャ語の「王」を意味する「basilicum:バジリコン」が由来という説。
もう1つは、ヨーロッパの想像上の怪物「ヘビの王:バジリスク」が語源ともされています。
和名では「目箒:メボウキ」と呼ばれています。
バジリコの種子には、グルコマンナン(多糖類の食物繊維)が多く含まれており、水に浸すとゼリー状になります。これで目を洗浄したことから、メボウキ(目を掃除する箒)という名前になったと言われています。

原産地と種類
インド、エジプト、中国、北アフリカ、南ヨーロッパ、中近東など種類は150種類以上ほどあると言われています。
「ダークオパールバジル」
クローブのような香りで全体が紫色をしており、ビネーガーなどに漬けこんで使います。
「ブッシュバジル」
小型のバジルで、葉も小さく密に茂ります。料理にも使え、園芸に向いています。
「レモンバジル」
葉の幅が狭く、明るい緑色をしています。レモンのような香りが、ハーブティーにおすすめです。
「シナモンバジル」シナモンに似た甘い香りがします。

歴史
バジリコは、ヘレニズム時代にアレキサンダー大王が、ギリシャ、シリア、エジプト、ペルシャ、インドに伝えたという説があります。
インドには、バジリコはクリシュナ神とビシュヌー神に献げられた「神聖な草」であり、人間を守護する聖なる力が秘められているという民話が伝わっています。
いま現在も、宗教的な儀式や、アーユルヴェータ(インドの伝統的な学問)の医学、セラピー、美容などで利用されています。
イギリスには16世紀頃に、アメリカには17世紀頃に伝わりました、日本には江戸時代に中国から渡来したと言われています。

機能性
バジリコには、β‐カロチン、ビタミンE、カリウムなどが多く含まれています。
また「エステラゴール」、「リナロール」、「リナオール」、「オイゲノール」などの精油成分が含まれており、さわやかな芳香をもつ成分は、リラックス効果、食欲増進、血液循環、疲労回復、解熱、鎮静作用などが期待されています。
またバジリコには抗菌、消毒作用があり、昔より虫刺されには生葉の絞り液を、風邪や喘息にはバジリコの蒸気を利用していました。その他、防虫剤としても使われていました。
乾燥させたものをクローゼットなどに入れておくと天然の防虫剤になります。

料理方法とポイント
バジリコは、地中海料理、フランス料理、タイ料理などに多く利用されています。
特にトマト、ニンニク、オリーブ油との相性がよくイタリア料理に欠かせません。
ヨーロッパでは日本の青紫蘇として使われることがあります。
包丁で切るよりも手でち切ると風味が落ちにくくなります。切り口の色が変わりやすいので、使う直前に
切るか、そのまま使うとよいでしょう。
「パスタ、サラダ、ピザ、ラタゥイユ、きのこのキッシュ、ミネストローネ、オムレツ、スープ、豆料理、生春巻き、ガバオライス」

ジェノヴァ・ペーストの作り方
バジルの葉、にんにく、松の実、オリーブオイル、パルメザンチーズ、塩をミキサーにかけます。

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スペアミント spearmint

スペアミントの甘く爽やかな香りは、香料、薬用、料理、お菓子の材料として世界的に人気があります。

名称
科名:シソ科ハッカ属 多年草
学名:Mentha spicata
和名:ミドリ薄荷(はっか)、オランダ薄荷
漢方薬名:薄荷(はっか)葉(よう)


6月~9月

語源
スペアミントの「Spear:スペア」は「槍」という意味で、葉の先端が槍のように尖っていることから由来しています。和名の「ミドリ薄荷」は葉茎全体が緑色であることから、また「オランダ薄荷」は江戸時代にオランダから伝来したことに由来しているそうです。

原産地
ユーラシア大陸、地中海沿岸、インド、北アメリカ、イギリス

種類
「ミント」の種類は、交配は簡単で変種が出来やすいこともあり、120種類~1000種類ほど存在していると言われています。
栽培されている品種だけでも、ペパーミント系、スペアミント系、アップルミント系、オレンジミント系など、10種類~30種類以上はあると言われています。
その中でも特に有名なのが、スペアミントとペパーミントです。

歴史
スペアミントは、古代から様々な用途に利用されていきました。
古代ギリシャ人は、香料、強壮剤、入浴剤として、ローマ人は牛乳の凝固防止として、中世には、口内の衛生剤、歯の漂白剤として利用されていました。
日本には、江戸時代にオランダから渡来したと言われています。

機能性
他のミントには清涼感のある香り成分「メントール」が多く含まれていますが、スペアミントには少なく、主成分は「カルボン」「アズレン」「リモネン」などです。そのため穏やかで甘味のある香りがします。
「カルボン」は中枢神経に働きかけます。二日酔い、抗うつ、不眠、精神疲労などへの効果が期待されます。
「アズレン」は消炎作用やアレルギーにも効果があるとされ、うがい薬、皮膚の炎症を抑える軟膏、ハンドクリーム、化粧品等に使われています。
「リモネン」はその爽やかな香りからリラックス効果があるとされ、入浴剤、ルームフレグランス、サッシェなどに使われています。

料理方法
料理やお菓子の付け合せや、肉料理のにおい消し、お茶、薬用酒としての利用が一般的です。ペパーミントよりもまろやかで、ティーとしても飲みやすくお子様にもおすすめです。
「お茶、カクテル、ソース、ドレッシング、パスタ、ステーキ、ラム・マトン料理、じゃがいも料理、ハーブバター、フルーツサラダ、シフォンケーキ、アイスクリーム、ケーキ」

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セージ sage

セージは、神聖な草、癒しの草、不老不死の草と呼ばれ、昔から医薬として用いられてきました。ヨーロッパでは家庭の常備薬として育てられています。

名称
科名:シソ科アキギリ属 多年草
学名:Salvia officinalis
別名:コモンセージ、ガーデンセージ(英)、ソージュ(仏)、サルヴィア(伊)
和名:薬用サルビア


5~10月

語源
属名でもある、イタリア語の「Salvia:サルヴィア」の語源は、ラテン語の「Salvare」(治す、救う)、「Salveo」(安全な、健康な)と「Officinalis」(薬効・薬用)という言葉から由来しています。
また、豚肉や内臓料理にはセージの防腐、殺菌効果、臭み消し効果、脂肪を中和させる効果を利用しており、「Sausage:ソーセージ」は英名の「sow:ソー」(雌豚)+「sage:セージ」が組み合わさったものです。

原産地
地中海沿岸、ユーゴスラビア、メキシコ、オーストラリア

種類
サルビア属は、変種も含めると500~900種類以上ありますが、薬用、香料用種を「セージ」と呼び、観賞用種を「サルビア」と呼び、大別しています。
「コモンセージ」 料理用として使われ、ソーセージの材料として欠かせません。
「チェリーセージ」 白やピンク、赤&白などの花は、フルーツのような甘い香りがします。
「パイナップルセージ」 葉にパイナップルのような甘い香りがあり、鮮やかな赤い花が咲きます。
「パープルセージ」 赤紫色の葉をつけ、ピンク色の花を咲かせます。ハーブティーなどにも使えます。
「ゴールデンセージ」 葉には特徴的な黄斑があり、寄せ植えや花壇に適しています。
「ラベンダーセージ」 長く伸びた茎の先にラベンダーのような紫色の花を沢山つけます。
「トリカラーセージ」 赤、黄色、緑の3色が1枚の葉に見られます。

歴史
古代ギリシャ・ローマ人、ネイティブ・インディアン、ヨーロッパの魔女(ヒーラー)などは、薬用や神聖な儀式などに利用してきました。昔から「セージ」に関する諺や言いつたえが存在しています。
 「Herba sacra:神聖な草」古代ギリシャ・ローマ
 「長生きしたければ5月にセージを食べなさい」イギリス
 「庭にセージを植えているものは不老不死」アラビア
 「悲しみを和らげるハーブ」フランス
 「若返りのハーブ」「癒しの草」
17世紀頃、オランダ商人はセージを中国に輸出し、茶葉と交換しました。その時の交換レートは、セージの1に対し、お茶が3だったと言われています。日本には1890年頃に伝わり、薬用種「薬用サルビア」として栽培されていました。

「セージ」に期待される薬効
消化促進、解熱、防腐、抗菌、抗酸化、抗炎症、強壮、血行促進、浄血作用、糖尿病、精神安定、多汗症改善、老化防止、美肌、過労、白髪、抜け毛、血圧安定、更年期障害、生理不順、止血、歯磨き、健胃整腸、脂肪溶解、頭痛、歯痛、便秘、うつ病

香りの成分は「ツヨン」、「シネオール」、「ボルネオール」、「カンファー」などで 胃腸炎、咽喉炎のうがい薬、口内炎や口臭予防、精神安定、強壮作用、美肌などに効果が期待されています。


<香料の利用>
ヘアーリンス、ポプリ、入浴剤、フェイシャルスチーム、ローション

料理方法とポイント
ヨモギに似た香りが、肉、魚、鳥料理の臭み消しと香り付けに効果的です。
「ハーブティー、ソーセージ、パン、パスタ、天ぷら、ワインビネガー、セージワイン、香草パン粉焼き」
使いすぎると香気が強すぎる料理になるので注意が必要です。

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タイム thyme

タイムは、スープ、煮込み料理、魚料理などに手軽に使えるハーブです。タイムの気品ある香りは古代から人々に愛されていました。

名称
科名:シソ科イブキジャコウソウ属 多年草
学名:Thymus vulgaris
別名:コモンタイム / ガーデンタイム / フレンチタイム(英)、タン(仏)、立(たち)麝香(じゃこう)草(そう)(中国)/ 百(ひゃく)里香(りこう)
和名:立(たち)麝香(じゃこう)草(そう) / 伊吹(いぶき)麝香(じゃこう)草(そう)


5~10月

語源
語源にはギリシャ語で幾つかの説があります。
 1:良い香りを意味する。「thyo」
  2:香りを放つを意味する「thyein」
  3:殺菌・防腐を意味する「thymon」
 4:勇気を意味する「thymus」
  5:ギリシャ神話に登場する美女ヘレネ(トロイ戦争の原因)の涙
 6:この草の香りが、百里四方の遠くまで漂うという意味から「百里香:ヒャクリコウ」。
 和名のタチジャコウソウ、イブキジャコウソウの「ジャコウ」は、麝香鹿のことを指しています。麝香鹿のオスからとれる香料は、貴重で高級です。

原産地
地中海沿岸、南ヨーロッパ、アメリカ、北西アジア各地
※品種によって異なります。

種類
タイムは気候に対する適応力が広く、多くの地域に分布しています。その品種数は300~400種類ほどあると言われ、草茎の発育の状態で大別しています。

  • 1,上に向かって発育する「立木性 」

「コモンタイム」成長するにつれて茎が木質化します。日本におけるタイムは一般的にコモンタイムを差します。
「シルバータイム」葉は薄い緑色で白い班が特徴です。
「レモンタイム」レモンのような爽やかな香りがあります。

  • 2,地面を這うように発育する「ほふく性 / クリーピングタイプ」(蛇のように生育するという意味でヘルピュロス、セルピュルムとも呼ぶ)

「クリーピングタイム」枝にびっしりと薄ピンクの花をつけるので、グラウンドカバーなどに向いています。
「イブジャコウソウ」麝香に似た香りを持ち、もともと日本に自生しています。

歴史
タイムは紀元前2000年頃ごろから現在のイラクで栽培されており、様々な用途で利用されていました。
<薬用>
古代エジプト時代には、防腐作用があることからミイラ保存の防腐剤の一つとして使用されていました。 
また、抗菌作用があり、ペストなどの伝染病が流行った時にも利用されていました。
中国では「地椒(じしょう)」という漢方薬として、発汗、整腸、鎮咳の処方に用いられていました。
日本では、織田信長が滋賀・岐阜両県にまたがる伊吹山に薬草園を開墾し、「イブキジャコウソウ」を植えたと言われています。その香りは、日本国統一後の豊かな未来を表現していたと考えられています。
<祭事用>
タイムには勇気を与える力があるとされ、ギリシャ戦士は、闘いの時にタイムの冠を頭につけていたそうです。ギリシャの神々の祭壇の薫香、伝染病除けにも使われていました。
<信仰>
タイムの野原は妖精が集う場所だと信じられていました。タイムのハーブティーには悪夢から逃れ勇気を得る効果があると信じられていました。
<香料>
古代ギリシャ・ローマ時代には、入浴剤、体に塗る香料、神殿で焚くお香として用いていました。中世の騎士に「あの人はタイムの香りがする」という言葉は、賛美の表現とされていたそうです。

機能性
主な香り成分の「チモール」は防腐、殺菌、駆虫効果、「カルバクロール」は抗炎症、抗菌、「リナロール」鎮静作用などが期待されます。
気分の高揚、うつ病、集中力、記憶力、免疫力アップ、感染病予防、毛髪育成、鎮痙、血圧安定、リウマチ、痛風
<香料の利用>
口中清涼剤、歯磨き、うがい薬、石けん、化粧品、入浴剤、フレグランス、ポプリ、リース、サシェ、アフターシェーブコロン、洗剤

料理方法とポイント
肉、魚料理の臭み消しや風味づけに使用できます。
またローリエやパセリ、エストラゴンと共に束ねた「Bouquet garni :ブーケガルニ」は煮込み料理やフォン(だし)などの風味付けに用いられ、供する際には取り除きます。
そのまま料理に入れる時は、枝から小さな葉を摘んで使いましょう。
「ハーブティー、ピザ、トマト料理、カレー、ラタトゥイユ、ハム、ソーセージ、シチュー、ピクルス、ビーフシチュー、クラムチャウダー、コロッケ、肉や魚のハーブパン粉揚げ、白身魚のムニエル、チキンソテー、鶏のから揚げ、煮込み料理、香草焼き、ハーブヴィネガー、ハーブオイル」

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チャイブ chives

チャイブはネギの仲間です。ネギよりも上品な香りが特徴的で、フランス料理にはかかせないハーブです。

名称
科名:ユリ科ネギ属 多年草
学名:Allium schoenoprasum
別名:チャイブ(英)、シブレット(仏)、シポリーナ(伊)、ビスローク(蘭)
和名:蝦夷(えぞ)葱(ねぎ)、西洋(せいよう)浅葱(あさつき)


4~10月

語源
チャイブの学名、Alliumはラテン語の「におい」を意味する「alere」に由来しているという説があります。学名の「schoenoprasum:スコエノプラスム」は「イグサのようなネギ」という意味です。

原産地
シベリア、アジア、ヨーロッパ、北アメリカ

種類
チャイブは、ネギ類の一種で、ニンニク、ニラ、エシャロットと同じ仲間のハーブです。鱗茎(球根)が分球するので「Chives:チャイブス」と複数形で表記されることがあります。
日本名では、「エゾネギ」(蝦夷葱)と呼ばれ、本州以北に自生しています。茎や葉の形状が似ている「アサツキ」はチャイブの変種になります。
「アサツキ」は夏になると地上部の葉が枯れて休眠するのに対し、「チャイブ」は休眠せず、冬になると地上が枯死して、春には萌芽します。

  • 1,上に向かって発育する「立木性 」

「コモンタイム」成長するにつれて茎が木質化します。日本におけるタイムは一般的にコモンタイムを差します。
「シルバータイム」葉は薄い緑色で白い班が特徴です。
「レモンタイム」レモンのような爽やかな香りがあります。

  • 2,地面を這うように発育する「ほふく性 / クリーピングタイプ」(蛇のように生育するという意味でヘルピュロス、セルピュルムとも呼ぶ)

「クリーピングタイム」枝にびっしりと薄ピンクの花をつけるので、グラウンドカバーなどに向いています。
「イブジャコウソウ」麝香に似た香りを持ち、もともと日本に自生しています。

歴史
チャイブは4000年前の中国の文献に記されています。西洋には、中国を訪れたマルコポーロが持ち帰ったと言われています。

機能性
「チャイブ」には、カロチン、ビタミンC、鉄分が豊富に含まれています。ネギの辛みと匂い成分は、玉葱、にんにく、ネギと同様に「硫化アリル(アリシン)」などの「硫黄化合物」を含んでいるので、殺菌作用、抗酸化作用、血液サラサラ効果、癌予防、食用増進、体温を高める効果、風邪予防、疲労回復などが期待されます。

植物への防虫・予防効果
アブラムシ、カイガラ虫、うどん粉病、黒点病

料理方法とポイント
ネギやアサツキと同じように薬味、風味づけなどにお使いください。香りはネギやアサツキと比べると、繊細で上品な柔らかさがあります。水にさらしたり、加熱すると「硫黄アリル」の効果が弱まります。
「スープ、ポテトサラダ、オムレツ、パスタ、マリネ、鍋物、和え物、麺類、納豆、お好み焼き、冷奴、お味噌汁、ハーブバター、ハーブチーズ、タルタルソース、ドレッシング」

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チャイブを使ったレシピ

チャービル Chervil

上品な香りとレースのように繊細な葉を持つことから「美食家のパセリ」と呼ばれています。
ケーキやお料理の風味を引き立てフランス料理や洋菓子に欠かせないものとなりました。

名称
科名:セリ科シャク属 
学名:Anthriscus cereifolium Hoffm
別名:セルフィーユ(仏)、セルフォーリオ(伊)
和名:茴(うい)香(きょう)芹(ぜり)


3~6月

語源
フランス語で「Cerfeuil:セルフィーユ」と呼ばれており、「蝋(ろう)質の葉」を意味する
「Cereifolium:ケレフォリウム」(種小名)から由来していると言われています
また属名の「Anthriscus: アントリスクス」は、セリ科の植物につけられたギリシャ名です。

原産地
ロシア東南部のコーカサス地方

歴史
中世ヨーロッパでは、チャービルの種子に過去と未来を透視する作用があると信じられており、「魔女の常備薬」と呼ばれていました。また血を清める作用があると言われ、復活祭の前の木曜日にチャービルのスープを飲む習慣があったことから「希望のハーブ」と呼ばれ、聖なる食材であったそうです。

効能
ビタミンA(β-カロテン)、B、C、鉄分、マグネシウムなどを含み、高血圧、不整脈予防、血液の浄化、精神安定、疲労回復、冷え症改善などの効果が期待できます。

料理方法とポイント
バジル、タラゴンと組み合わせて細かく刻んだ「Fines herbes:フィヌゼルブ」は、フランス料理に多く使われています。
「魚料理(カルパッチョ、魚介マリネ、ムニエルなど)、卵料理(オムレツ、)サラダ、スープ」などの彩りやアクセントに。またお菓子の飾り、ドレッシング、ソース、ハーブバターなどにもお使いください。
加熱しすぎると、風味が変わりますのでご注意ください。乾燥には向きませんので早めに使い切りましょう。

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ディル Dill

サーモンマリネなどの魚料理に用いられ「魚のハーブ」と呼ばれています。また爽やかな芳香を持つ葉と
スパイシーな種子はピクルスの風味付けに使われています。

名称
科名:セリ科イノンド属
学名:Anethum graveolens L.
別名:アネット(仏)、イネルド(スペイン)
和名:イノンド


6~10月

語源
「Dill:ディル」はノルウェー語で「なだめる / やわらげる」を意味する「Dylle」からきており、このハーブが痛みを和らげたり、鎮静作用があるからと言われています。
和名の「イノンド」は、スペイン語「eneldo:イネルド」から由来しています。また同じセリ科のキャラウェイと同じく「姫茴(ひめうい)香(きょう)」と呼ばれることがあります。

原産地
西南アジア、地中海沿岸

歴史
古代文明(紀元前3000年頃)メソポタミア地方から出土した「粘土刻板」にシュメール人の薬香植物として記録があります。また紀元前740年前頃にパレスチナ地方で栽培されていた事が「旧約聖書」に記されているそうです。

効能
セリ科植物の種子に含まれる精油成分「カルボン」と柑橘系に多く含まれる「リモネン」は、消化促進、安眠作用、鎮静作用が期待されています。ビタミンの他、カリウム、カルシウムなどのミネラルを含んでいます。

料理方法とポイント
魚や酸味との相性がよく、魚の腹の寄生虫を殺す作用が期待され、サーモンや鱒、魚介のマリネに使われます。
葉を刻んでポテトサラダやタルタルソースに混ぜると風味が増します。
「ハーブバター、ハーブチーズ、ピクルス、ドレッシング、卵料理、スープ」

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ビーツ Beet

一般的にビーツと言えば根菜であり、赤い根っこを食します。世界三大スープ、ロシア料理の「ボルシチ」に使われていることでも有名です。
赤い筋の入ったビーツの葉は、サラダの彩りとして使われるようになりました。

名称
科名:アカザ科トウヂシャ属
学名:Beta vulgaris
別名:ベットラーヴ(仏)、ガーデンビート、テーブルビート(英)
和名:火焔(かえん)菜(さい)


6~7月、11~12月

語源
日本では根の部分が燃えるような色合いから「火焔菜」と呼ばれるようになりました。サトウダイコンの変種で、赤カブのような形をしていますが、カブや大根とは関係なくほうれん草と同じアカザ科です。

原産地
西南アジア、地中海沿岸

歴史
古代ローマ時代から食べられており、現在の色鮮やかなビーツは、16世紀にヨーロッパで栽培されて、各地広がりました。

効能
ビーツの赤い色素は「ベタシアニン」(アントシアニンと同じポリフェノールの一種)です。数千種類もあるポリフェノールの中でもこの「ベタシアニン」は抗酸化作用がトップクラスと言われています。またカリウムが多く含まれており、脱塩効果があるとされています。その他ビタミン、ナトリウム、マグネシウム、鉄などが含まれています。

料理方法とポイント
根はショ糖が多く、独特の甘みがあり高カロリーな野菜です。皮つきのまま調理することで栄養価の損失が防げます。水に酢と塩を入れて皮ごと20~30分茹でてサラダなどで食します。葉は、そのままサラダ、お浸し、炒め物(ニンニク臭を消すと言われています)などで。

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ペパーミント Peppermint

ペパーミントはメントールの爽やかな香りが特徴的です。デザートの彩やフレッシュ・ハーブティーなどでも多く使われております。

名称
科名:シソ科ハッカ属 多年草
学名:Mentha piperita L.
別名:ペパーミント(英)、モント(仏)、メンタ(伊)、
和名:オランダ薄荷(はっか)、西洋(せいよう)薄荷(はっか)


6~9月

語源と歴史
「Menta:メンタ」はギリシャ神話に登場する妖精「Minthes」に由来すると言われています。妖精メンタは、冥界の神ハデスが妖精メンタを愛したため、嫉妬深い妻ペルセポネに地面に踏みつけられて「草」になったという話があります。それほど生命力があり、よく育つハーブと言えます。古代ギリシャ、ローマ時代では生薬、食用、また浴用香料として用いられていたそうです。

原産地
ユーラシア大陸、地中海沿岸、インド、北アメリカ、ヨーロッパ

種類
「ミント」の種類は、交配が簡単で変種が出来やすいこともあり、栽培されている品種だけでも、ペパーミント系、スペアミント系、アップルミント系、オレンジミント系など、10種類~30種類以上はあると言われています。その中でも特に有名なのが、スペアミントとペパーミントです。ちなみにペパーミントは、スペアミントとウォーターミントの交配種です。そのため、スペアミントとペパーミントの香りは似ていますが、ペパーミントは「メントール」、「メントン」などの成分があるので、爽快で清涼感のある香りがします。地下茎で増えるミントを数種類栽培するときは、交雑しやすいので離して植えましょう。

精油成分の用途
化粧品、キャンディーなどの香料、入浴剤や洗剤、歯磨き粉、オイル、生薬

体への効果
消化不良、便秘、食べすぎ、二日酔いや乗り物酔いの吐き気、強心作用、肝臓機能、解熱、・鎮痛作用、咳や喉の痛み、鼻づまりの緩和、口臭予防

精神面への効果
リフレッシュ、精神安定、鎮痛効果、眠気ざまし、乗り物酔い、集中力アップ

への効果
髪の手入れ、ニキビ予防、日焼けや虫刺され

使い方とポイント
フレッシュのペパーミントは、デザートの飾りや風味付け、お茶に使われます。水をはったコップなどに挿しておくと長持ちし、根っこが出てきますのでプランターなどに植えてもよいでしょう。
「ハーブティー(冷・温)、アイスクリーム、ホットのミント・ミルク、クッキー、カクテル(モヒート)、ゼリー、生春巻き、サラダなどのエスニック料理」

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マーシュ marsh

ハーブの中でもクセがなく食べやすい「マーシュ」は、可愛らしい葉っぱの形状からサラダやフランス料理などの彩りとして使われています。

名称
科名:オミナエシ科ノヂシャ属 1年草
学名:Valerianella locusta.L
別名:コーンサラダ、ラムズレタス(英)、マーシュ(仏)ラプンツェル(独)
和名:野萵苣(のぢしゃ)


5~6月、10~1月(冬の間は甘味が増してより美味しくなります)

語源
英名「Corn salad:コーンサラダ」は、元々はトウモロコシ畑の雑草だったことが由来していると言われており、トウモロコシの味がするわけではありません。仔羊が好むことから「Lamb’s lettuce:ラムズレタス」とも呼ばれ、昔からヨーロッパでは身近な食用植物でした。和名の「ノヂシャ」とは、野にできる「チシャ=レタス」ということからつけられました。 近年ではグリム童話で有名になりました。子供のできない夫婦が、魔女の畑から美味しくて栄養のあるラプンツェル(マーシュ)を盗みます。生まれた娘は魔女に捕えられて「ラプンツェル」と名付けられ、ストーリーが続いていきます。

原産地
ヨーロッパ、北アフリカ

歴史
ヨーロッパに広く分布していて、寒い地方でもよく育つので、貴重なビタミンとして18世紀頃から栽培されていました。寒さに強いことから、「冬のレタス」とも呼ばれ、日本には明治初期頃に渡来したと言われています。

機能性
「マーシュ」はビタミンが豊富に含まれた緑黄色野菜です。また、解毒作用や消化促進作用があるとも言われています。

料理方法とポイント
「マーシュ」は苦みやえぐみがなく、サラダや添えものに最適です。葉が柔らかいので盛り付ける直前に冷水につけてパリッとさせると食感がよくなります。また房のまま使うことで立体的になり見栄えがよくなります。
「サラダ、サンドウィッチ、スープ、シチュー、炒め物、お味噌汁、和え物」

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ルッコラ・ロケット rucola rocket

イタリア料理にはかかせない有名なハーブです。独特の辛味と苦み、ゴマのような香りから「大人の野菜」とも言われています。

名称
科名:アブラナ科キバナスズシロ属 1年草
学名:Eruca vesicaria
英名:ロケット:rocket(英)、ロケット:roquette(仏)、ルケッタ、ルーコラ:rucola(伊) 
和名:黄花蘿蔔(きばなすずしろ)


4~10月

語源
イタリアでは野生種を「ruchetta:ルケッタ」呼び、ルッコラと区別して使われることがあります。
日本では、ルッコラと呼ばれていますが、実は「rucola:ルーコラ」の聞き違えだと言われています。
また和名の「キバナスズシロ」(黄色い花を咲かせる大根)という名のとおり、薄黄色(クリーム色)の可憐な花を咲かせます。

原産地
アフリカ、地中海沿岸

歴史
ルッコラの歴史は古く、古代エジプト時代には、世界3大美女のクレオパトラは美容のために食べていたと言われています。 ローマ帝国時代には、食用だけではなく、薬用としても利用されていました。また、ほれ薬の効果があるとも信じられていました。

機能性
「ルッコラ」には、ビタミンC、K、カルシウム、鉄分、食物繊維などが多く含まれています。種子には強壮作用があると言われています。

料理方法とポイント
独特の辛み・ほろ苦さを活かすのは、生食がおすすめです。
「サラダ、ピザ、パスタ、サンドウィッチ、ハーブティー、炒め物、お浸し、天ぷら、スープ」

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ルッコラ・セルバチカ rucola

「Wild Rocket:野生のルッコラ」と呼ばれ、独特の辛みやゴマのような香りが、通常のルッコラよりも
強いのが特徴です。イタリア料理の「牛肉のカルパッチョ」ではパルメザンチーズと共に定番的に使われています。

名称
科名:アブラナ科ディプロタキス属  多年草(宿根草)
学名:Diplotaxis tenuifolia L.DC
英名:ワイルド・ロケット(英)、ロケット・ソバージュ(仏)、ルケッタ・サルバティカ(伊)
和名:ロボウガラシ


5~12月

語源
「野生のルッコラ」と呼ばれていますが、植物学上では属の異なる別物の植物です。ルッコラは1年草で薄黄色(クリーム色)の花が咲くのに対し、セルバチカは多年草で黄色の鮮やかな花が咲き、和名も異なります。
イタリアなどでは通常のルッコラと区別する為に、ルケッタと呼ぶことがあります。

原産地
シベリア、アジア、ヨーロッパ、北アメリカ

機能性
ルッコラと同様の辛み成分は、わさび、からし、大根などのアブラナ科の植物に含まれるものと同じアリルイソチオシアネート(芥子油)で、癌予防、抗菌、殺菌作用、血栓予防、食欲増進などの効果があるとされています。またビタミンを豊富に含む緑黄色野菜で、風邪予防や疲労回復も期待されています。

料理方法とポイント
独特の辛み・苦みがありますが、その特性を活かし、ビタミンなどの栄養素を摂取するためには、サラダなどの生食がおすすめです。辛み・苦みを消したい場合には加熱してください。
「ピザ、パスタ、サンドウィッチ、サラダ、ハーブティー、炒め物、おひたし、つけ合わせ、天ぷら、スープ」

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レモンバーム lemon balm

レモンバームは、レモンのような爽やかな香りが特徴で、日本ではハーブティーとして親しまれています。

名称
科名:シソ科セイヨウヤマハッカ属 多年草
学名:Melissa officinalis
別名:メリッサ(伊)、ジトロネンメリッス(独)、メリス・オフィシナル(仏)
和名:西洋山(せいようやま)薄荷(はっか)、香水(こうすい)薄荷(はっか)


5~10月

語源
学名の「Melissa officinalis」から「メリッサ」と呼ばれる場合が多くあります。ギリシャ語の「ミツバチ」を意味する「メリッサ」から由来したという説と、ギリシャ神話の主神「ゼウス」は、「メリッサ」という女性に蜂蜜を与えられ育てられたという話から由来したという説があります。事実、レモンバームの小さな白い花は、多くのミツバチを引き寄せ、美味しいハチミツを生みだすことで有名です。
また、学名の「officinalis」は、ラテン語の「薬用の」を意味しています。
レモンバームの「バーム」は、香膏(こうこう)を意味する「バルサム」から由来しています。

原産地
地中海沿岸、ヨーロッパ南東部、アジア西部
「レモンバーム」は、アラブの商人がアジア西部原産からヨーロッパに持ち込んだという説もあります。

歴史
8世紀から9世紀より、「レモンバーム」は人間より長生きする「若返りの薬草」と信じられていました。フランスのシャルルマーニュ王(カール王)は、領地の修道院から庭で育てられている「レモンバーム」を取り寄せていたと言われています。修道院で造る「ベネディクティン」や「シャルトリューズ」などの薬草リキュールの重要な成分です。
 13世紀には、「レモンバーム」のハーブティーを愛飲していた、グラモーガン公ウェリンという人物が108歳、ジョン・ハシーという人物は、116歳まで長生きしたと言われています。
16世紀、スイス人医師のパラケルススは「レモンバーム」を「生命のエリキシル」(Elixir=不老不死の霊薬、万能薬)と呼び、炭酸カリウムと合わせて「プリムム・エンス・メリッサエ」として知られる薬剤を開発し、医療に用いていました。

機能性
主な成分はレモンのような香りの「シトラール」と「シトロネラール」、「ゲラニアール」です。
 強壮作用、発汗作用による風邪症状の緩和、鎮痙作用、鎮静作用による頭痛、生理痛の緩和、解毒作用、気分をリラックスさせる抗うつ作用、殺菌、消毒作用による喘息や気管支炎、水虫の緩和、食欲増進、抗菌作用によるアレルギーや花粉症予防、皮膚疾患の緩和、呼吸と脈拍を調えて高血圧予防などが期待されます。
<香料の利用>
 香水、入浴剤、ポプリ、安眠枕

料理方法
レモンの爽やかな香りは、料理の風味づけに最適です。
「ハーブティー、アイスクリーム、サラダ、ソース、スープ、デザート、ドリンク、ゼリー、フルーツ、肉料理、卵料理」

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レモングラス lemon grass

レモングラスは、タイ料理の「トムヤムクン」スープには欠かせません。日本ではハーブティーでも親しまれています。

名称
科名:イネ科オガルカヤ属 多年草
学名:Cymbopogon citratus Stap
別名:メリッサグラス、オイルグラス、タックライ(タイ)、チューマナ・プールー(印)、香茅(中国)
和名:檸檬(れもん)草(そう)、香水(こうすい)茅(がや)


5~10月

語源
学名「Cymbopogon citratus:シンボポゴン・シトラタス」の「シンボポゴン」の意味は、2つの言葉から形成されています。
「Cymbo:シンボ」は、レモングラスの花の外側にある「頴:えい」(イネ科植物の穂先)の形が舟形なので、舟を意味する「kymbo」、
「pogon:ポゴン」は、頴(えい)の先端部の「芒:のぎ」(頴の先端にある針状の毛)が多いことから、髭(ひげ)を意味する「Pogon」から由来しています。また、葉や茎にレモンと同じ芳香成分の「シトラール」を含むことからも由来しています。

原産地
インド、スリランカ、ミャンマー、タイ、マレーシア

種類
オガルカヤ属には50種類以上の種類があると言われています。一般的に、インドで栽培されている「Cyumbopogon flexuosus:イーストインディアン・レモングラス」は、香り成分の「ゲラニオール」が多く精油量も多いため、香料の原料として栽培されています。
株元の茎が白く緑の葉が伸びています。
西インドで栽培されている「Cymbopogon citratus:ウエストインディアン・レモングラス」は、香り成分の「シトラール」が多く、レモンの香りがするので、日本ではハーブティーに利用されています。茎が茶色で直近の葉が横に伸びています。

歴史
インドでは、「アーユルヴェーダ」(伝承医学)などで、「冷やすハーブ」と呼ばれ、感染症や熱病の治療薬として数千年前から利用されてきました。1786年には、リチャード・バンクス卿によってイギリスに伝来し、1914年(大正3年)には、日本でも越冬できないために温室栽培されていたと言われています。

機能性
発汗作用、強壮作用、体液循環促進作用、殺菌作用による水虫、ニキビなどの肌質改善、鎮痛作用による肩こり、腰痛、筋肉痛の緩和、消化促進作用、収斂作用、デオドラント作用、防虫作用などが期待されています。
<香料の利用> 
香水、入浴剤、石鹸、ポプリ、犬猫のシャンプー

料理方法
「レモングラス」は、肉類や魚介類の匂い消し、レモンのように風味づけに最適です。エスニック料理、タイ料理、マレーシア料理、カリブ料理には欠かせません。
「ハーブティー、お酒の香り付け、カレー料理、スープ、レモネード、ビーフン、炒め物料理、肉料理、魚介類料理、しゃぶしゃぶ、湯豆腐、鍋物」

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ローズマリー Rosemary

ローズマリーは、古くから食用の他に薬用、祭事用としても活用されてきました。 現在では鑑賞用として日本各地で見られるようになり、とても身近な植物です。

名称
科名:シソ科マンネンロウ属(ロスマリヌス属)多年草
学名:Rosemarinus officinalis L.
別名:ロマラン(仏)、ロズマリーノ(伊)、シーデュー
和名:万(まん)年(ねん)蝋(ろう)、迷迭(めいてつ)香(こう)


5~9月

語源
学名「ロスマリヌス(Rosmarinus)」はローズマリーが海岸沿いに自生していたこと、その花の形や淡い青紫色を海のしずくに例えたことから、「海の雫(ロスマリヌス)」と呼ばれるようになりました。「rose:ローズ」は、ラテン語で「露」を意味する「Ros:ロス」と「maryマリー」は、「海」を意味する「marinus:マリヌス」に由来しています。「officinalis:オフィシナリス」は「薬用の」の意味です。語源は「聖母マリアのバラ(rose of Maria)」だという説があります。一説には聖母マリアがヘデロ王の迫害により、幼いイエスと共にエジプトへ逃走中の野宿の際、葉と白い花が生い茂るローズマリーの中に身を隠し、その上に青いマントを広げたら、翌朝には青い花に変わっていたという「聖書」の物語から由来したと言われています。

原産地と品種について
地中海沿岸、南ヨーロッパ
暑く乾燥した気候を好み、耐寒性も高いので日本でも多く栽培されています。ローズマリーには様々な品種があり、縦方向に発育する「木立性」と横方向に発育する「匍匐(ほふく)性」があります。冬から春にかけて咲く花の色は青や紫色が多いですが白やピンク色の品種もあります。

歴史
<薬用>
ヨーロッパ中世時代には、感染症の治療と予防に利用しました。フランスの病院では近年まで病室を殺菌するために葉を焚いていました。
<美容用>
ハンガリーのエリザベート王妃は、ローズマリーを主成分とした「ハンガリアン・ウォーター」を修道尼僧から献上され、化粧水として使用していた事により肌の若々しさを保っていたと言われています。王妃が72歳の時にポーランド国王からプロポーズされたことから「ハンガリアン・ウォーター」は別名「ハンガリー王妃の水」「若返りの水」などと呼ばれました。
<祭事用>
エジプト王ファラオの墓から副葬品としてローズマリーの小枝が発見されています。
古代ギリシャ、ローマ時代には、聖なる植物として宗教儀式の薫香としてローズマリーの小枝を燃やしていました。また魔除けとして庭に植えられたり、門や扉に飾られたりもしました。
結婚式ではローズマリーの枝で新郎新婦を祝福し、葬儀では棺と共に使われ、イエスに関わりが深い植物としてクリスマス・リース(花輪)を作りお祝いをしたと言われています。
<鑑賞用>
中世時代のヨーロッパの宮廷では,観賞用植物として庭園で栽培されました。またシェイクスピアの「ハムレット」、フリッツ・クライスラーの「美しきロスマリン」の台詞、フランツ・シューベルトの歌曲集「美しき水車屋の娘」第16曲の歌詞など、数々の芸術作品にも登場しています。

効能
記憶力、集中力を高め、仕事や勉強の効率Up
血行の促進により筋肉疲労、肩こり、リウマチ、神経痛の緩和
利尿作用によりむくみを取り新陳代謝を高める
抗酸化作用、収れんの働きによる美肌効果、老化防止
抗菌作用、抗ウイルスの働きによるアレルギー(花粉症)症状の緩和
精油による頭皮の血行促進、フケ防止、育毛
リネン類の防虫効果
*但しローズマリーは効力が強い為、妊娠中の方は摂取しないでください。

料理方法とポイント
香りによる効果が期待できるので、ハーブティーがよいでしょう。
また独特の香りは肉や魚の臭みを消してくれます。
「ラム肉、豚肉、鶏肉などのローストや煮込み料理、ジャーマンポテトなどのじゃがいも料理、スープやパスタ」などのアクセントに。

保存方法
枝を小さな花瓶に活けておきましょう。観賞用としても楽しめます。

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ローズマリーを使ったレシピ

コリアンダー Coriander

コリアンダーは、紀元前から薬草、食用、香料として利用されてきました。その用途の広さから、世界各国で最も利用されているハーブです。

名称
科名:セリ科コエンドロ属 1年草
学名:Coriandrum sativum
別名:香(シャン)菜(ツァィ)/ 芝(ユン)茜(サイ)(中国)、パクチー(タイ)、コリアンドル(仏) 
和名:コエンドロ、中国パセリ


3~6月(葉)、5~7月(種)

語源と特徴
コリアンダーは古代ギリシャ時代の名前「korian-non」の由来し、「koris:コリス」(カメ虫)と「Annon:アニス」だと言われています。茎葉(ハーブ)の香りがカメ虫に似ており、完熟果(種)の香りは「アニス」のような清涼感があり、オレンジのような甘い香りがします。和名の「コエンドロ」は、ポルトガル語の「コエントロ」が訛ったものだと言われています。

原産地
地中海沿岸、地中海東部北アフリカ、西アジア、モロッコ

歴史
コリアンダーは紀元前から利用されていて、古代エジプト王家の墓からも種子が発見されたと言われています。薬用、食用のほかには、化粧品やお酒の成分などとしても利用されていました。17世紀頃のフランスの修道院で、化粧水に使われていたことが明らかになっています。日本には10世紀以前に渡来し、薬用として利用されていたことが、新井白石の「東雅」に記されています。江戸時代にはポルトガルから再度伝えられましたが、口に合わなかったために普及しませんでした。

機能性
葉には、カロチン、ビタミンB2、ビタミンC、カルシウム、鉄分などが多く含まれています。種子はスパイスの1つで、リナロール(コリアンドロール)、ゲラニオールなどの成分が含まれており、消化促進、抗菌作用、鎮痛作用、頭痛緩和、リウマチ、関節炎、毒素の排出、神経痛、食中毒、神経疲労に
効果が期待されています。
<香料の利用>
お香、香水、石鹸、煙草、化粧品、リキュール、ワイン

料理方法とポイント
・パクチー(タイ)「トムヤムクン、スープ、タイスキ」
・ザウムイ(ベトナム)「生春巻き、フォー」
・シラントロ(中南米)「サルサ、スープ」
・コエントロ(ポルトガル)「魚料理、野菜料理」
・ダニャー(インド)「カレー」

種子
「カレー粉、ソーセージ、ピクルス、シチュー、マリネ、パン、クッキー、ビスケット、カステラ、ポークロースト、チャツネ、ステーキ、肉料理、卵料理、豆料理」

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